
大学の漫研所属中に「スーパーマンガデッサン」と同時に買った「パース!マンガでわかる遠近法」。漫研の活動の一環である漫画の制作時に背景がいまいち上手に描けなくて困ったので購入した。漫研を退いてから埃をかぶってしまったが最近になって背景の練習をしたいと思い引っ張り出してきた。んで改めて読んでレビューしてみる。
どんな本?
背景を描く時に欠かせないとされるパースについて詳しく説明したパース入門書。お値段は1600円ちょっと。元は海外の本で日本語に翻訳されて発行されたのが2004年。スーパーマンガデッサンと同じく古い本でありながらも今でも店頭に置いてあるので良書であるとブログ主は思っている。
この本に載っている内容だが
- パースそのものについての説明と必要性
- 水平線と消失点について
- 一点透視図法
- 二点透視図法
- 三点透視図法
- パースを使って円や人を描く方法
- パースのショートカット集
などが漫画形式で載っている。背景資料集ではなく、パースについてとことん論理的に説明する本といったところ。
良いところ
他の背景関連の参考書に比べてパースの説明についてめちゃくちゃ詳しい。パースについて深く学びたいならこれ1冊しかない、と言ってもいいぐらい。
ある程度背景の練習をしてるんだけど何か違和感がある、何か足りないとかいう人はこの本を読めば何かしら突破口が見つかるかもしれない。
他のお絵描き参考書だと絵に赤ペン先生のようにコメントをつけて描き方のコツを記載したものが多いがこの本では漫画形式で話が進んでいく。なので読み物としても楽しめるんじゃないかなとブログ主は思っている。ただジャンプとかに載っているような内容の漫画ではないので注意(ヘタッピ漫画研究所Rみたいな内容を期待するとひどい目に遭う)。
ちなみに各コマはすべてパースに基づいて描かれているので模写をしてこの本の知識を体得することもできる。あとパースのショートカット集もあるので人によってはとても便利じゃないかなと思う。
注意点
ともかく論理的な内容なので流し読みでは頭に入ってこない。じっくり腰を据えて読む必要がある。背景をうまく描けるようになりたい、というよりは純粋にパースについて学びたい人向けの本といったほうがいいかもしれない。
気軽に読めないという意味では初心者向けの本ではない。中級者あたりが適正だろうか。入門書とは一体…。
基本的な使い方は説明されているけれど実践的な使い方については載っていないのでそこには注意。即戦力?を求めるなら他のお絵描き参考書なり背景資料集なりをあたりましょう。
姉妹本
この本の続編として「パース!2 マンガでわかるもっとディープな遠近法」が2012年より発行されている。こちらは反射、陰影、階段や斜面、曲線遠近法や平行投影について解説されている。マンガとは関係ない3DCG向けのマニアックな知識も載っていたりするが気になる人はチェックしてみてはどうだろうか。

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