Blenderで服などのオブジェクトに厚み付けをする方法について説明しています。
Ver2.91以降対応。
Alt + Sキーで拡大する
一番簡単にできる方法。Blender上では収縮/膨張(Shrink/Fatten)機能に当たる。
まず厚み付けをしたいオブジェクトを選択し、編集モードおよび頂点選択状態にして頂点を選択する。頂点を全部選ぶ場合はAキーですべての頂点を選択できる。
頂点を選択したらAlt + Sキーを押す。するとマウスの移動で拡大/縮小ができるので調整してクリックする。
この方法は厳密には拡大しているだけなので実際にオブジェクトに厚みができるわけではない。Tシャツとか薄いものなら大丈夫だが分厚いコートとか作りたい場合は次のソリッド化を使うのをおすすめする。
また裏地ができるわけでもないのでマテリアルやテクスチャには注意。Blender上では裏地(裏面)があるように見えるが表面のコピーを表示しているだけなので実際には存在していない。
裏地を作る場合はこちら。
モディファイアのソリッド化を使う
ただの拡大でなくきちんと厚み付けをしたい場合はこちら。
まずオブジェクトモードにして厚み付けをしたいオブジェクトを選択し、画面右のスパナのマークを選択する。
「モディファイアーを追加する」部分をクリックして、ソリッド化(Solidify)を選択する。
ソリッド化の項目が追加されるので各項目を設定する。
モードは服ならシンプルのままでOK。
幅は言わずもがな厚みのこと。
オフセットは厚み付けを外側にするか内側にするかの調整ができる。値は-1から1。
厚み付けの際にできるふちについて、もしふちを埋めたくないという場合はふちの「フィル」のチェックを外す。
他の項目について、服の場合はいじることはないと思うのでそのままでOK。
設定が終わったら最後に「適正」を選択する。※プレビュー上では設定の変更はリアルタイムで反映されますが「適正」を押さないときちんと反映されません。
ちなみにすでにマテリアルやテクスチャを設定しているときに厚み付けをした場合、新しくできた部分はUV展開上でコピー元の頂点と同じ部分を参照する。なのでマテリアル・テクスチャも自動で引き継ぐ。が、場合厚みの部分が表示されなかったり裏地を別のものにしたい場合は改めてUV展開をする必要がある。
モディファイアのシュリンクラップを使う
他の方法としてモディファイアのシュリンクラップを使う方法がある。こちらは最初のAlt + Sキーで拡大する方法に近い。
「Blender 厚み付け」なんかで検索するとこの方法をおすすめするサイトがいくつかヒットするが個人的には非推奨。理由はオブジェクトの形状によっては破綻することが多いため。素体から手袋やドレスグローブを作ろうとすると特に破綻しがち。
どちらかというと厚み付けというよりはオブジェクトの接合のための機能という感じ。
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