DXライブラリでゲームプログラミングをする際必ず必要となるキーボードの入力状態を取得する方法についてあれこれ。押された瞬間・離された瞬間にも対応。
キーボードの入力状態を取得したい
ゲームを作るうえで絶対に欠かせないのがキーボードの入力状態(以下キー入力)を取得すること。これができなければメニュー選択もキャラを動かすこともできない。
キー入力の取得といってもいくつか種類があって
- 特定のキーが押されている瞬間を知りたい
- 特定のキーが何フレーム押されているか知りたい
- 特定のキーが離された瞬間を知りたい
- 文字入力(タイピング)できるようにしたい
それぞれで書くべきコードが変わってくるので簡単に紹介していく。
特定のキーが押されているかどうかだけを知る
単に特定のキーが押されているかだけを知りたい場合はDXライブラリで最初から用意されている関数を使う。
使用する関数はCheckHitKey。この関数にキーコードを渡して入力状態を取得する。キーコードについてはこちら。
下はEscキーの入力状態を知りたい場合のコード。
#include "DxLib.h"
//中略
if (CheckHitKey(KEY_INPUT_ESCAPE) != 0) {
//ここに特定のキーが押されていた場合の処理を書く
}特定のキーが何フレーム入力されているかまで取得したい場合は次のようにする。
押された・離れた瞬間や何フレーム押されているか知る
アクションや格闘ゲームでため撃ちなどの動作を入れる場合、何フレーム押されているかを知る必要がある。他にもキーが押された瞬間や離された瞬間を知りたい場合もあると思う。
しかし上で説明した関数では押された・離された瞬間や何フレーム押されているかまでは取得できないので自分で補う。
早速コードをペタリ。新ゲームプログラミングの館に載っているコードを参考に機能を追加。
#include "DxLib.h"
int Input_Keyboard[256]; //キーが押されているフレーム数を格納する
//キーボードの入力状態を更新する
void Input_UpdateKeyboard() {
int i;
char tmpKey[256]; //現在のキーボードの入力状態を格納する
// 全てのキーの入力状態を得る
GetHitKeyStateAll(tmpKey);
for (i = 0; i < 256; i++) {
if (tmpKey[i] != 0) { // i番のキーコードに対応するキーが押されていたら
Input_Keyboard[i]++; // 加算
}
else { // 押されていなければ
if (Input_Keyboard[i] > 0) { //前フレームで対応するキーが押されていれば
Input_Keyboard[i] = -1; // -1にする。-1はキーが離された時用の値
}
else {
Input_Keyboard[i] = 0; // 0にする
}
}
}
}
//指定のキーが押された瞬間か調べる
bool Input_GetKeyboardDown(int KeyCode) {
if (Input_Keyboard[KeyCode] == 1) return true;
return false;
}
//指定のキーが押されているか調べる。返り値は押されているフレーム数
int Input_GetKeyboard(int KeyCode) {
return Input_Keyboard[KeyCode];
}
//指定のキーが離された瞬間か調べる
bool Input_GetKeyboardUp(int KeyCode) {
if (Input_Keyboard[KeyCode] == -1) return true;
return false;
}
int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow)
{
// ウィンドウモードに設定
ChangeWindowMode(TRUE);
// DXライブラリ初期化処理
if (DxLib_Init() < 0) {
//エラーなら終了する
return -1;
}
//描画先を裏画面にする
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK);
// 画面モードの変更
SetGraphMode(1280, 720, 32);
// while(裏画面を表画面に反映, メッセージ処理, 画面クリア)
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
//キーボードの入力状態を更新
Input_UpdateKeyboard();
DrawFormatString(0, 0, GetColor(255, 255, 255), "ESCキーで終了します");
//ESCキーが30フレーム以上押されていれば終了
//押された瞬間で判定する場合は if(Input_GetKeyboardDown())
//離された瞬間で判定する場合は if(Input_GetKeyboardUp()) とする
if (Input_GetKeyboard(KEY_INPUT_ESCAPE) > 30) {
break;
}
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}
内容はESCAPEキーが30フレーム以上押されていれば終了するもの。
文字入力(タイピング)用のキー入力
タイピングゲームなど文章を入力する場合はGetInputChar関数を使う。以下のコードはDXライブラリ置き場から。入力された文字を画面に表示するもの。
#include "DxLib.h"
int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow)
{
char String[2];
char InputChar;
// ウィンドウモードに設定
ChangeWindowMode(TRUE);
// DXライブラリ初期化処理
if (DxLib_Init() < 0) {
//エラーなら終了する
return -1;
}
//描画先を裏画面にする
SetDrawScreen(DX_SCREEN_BACK);
// 画面モードの変更
SetGraphMode(800, 600, 32);
String[1] = 0;
// while(裏画面を表画面に反映, メッセージ処理, 画面クリア)
while (ScreenFlip() == 0 && ProcessMessage() == 0 && ClearDrawScreen() == 0) {
DrawFormatString(0, 0, GetColor(255, 255, 255), "ESCキーで終了します");
// 文字入力バッファから文字を取得する
InputChar = GetInputChar(TRUE);
// 操作コード以外の文字入力があった場合のみ表示処理を行う
if (InputChar != 0 && InputChar >= CTRL_CODE_CMP)
{
// 文字の保存
String[0] = InputChar;
// 描画
DrawString(400, 300, String, GetColor(255, 255, 255));
}
if (CheckHitKey(KEY_INPUT_ESCAPE) != 0) {
break;
}
}
DxLib_End(); // DXライブラリ終了処理
return 0;
}似た関数としてGetInputCharWaitがあるが、こちらはキー入力があるまで他の処理が始まらないのでタイピングには不向き。
ちなみにString[1] = 0;の部分をなくすと文字化けしたString[1]の中身が出てくるので注意。
補足:同時押しについて
作るゲームの内容によっては3つ以上キーを同時押しする場面が出てくるかもしれない。その時に注意してほしいのが一般的にキーボードは同時押し制限があり、正しくキー入力が反映されない場合があること。
これはハード側の仕様であり、DXライブラリの不具合ではないことに注意。


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